一方的にやる優しさ

(本より抜粋)ーーーーーーーーーーーーー
本当に追い込まれた人間は、助けての声が出なくなる。そして、「してほしいことある?」と聞かずに一方的にやってくれることが、ようやく助けての声を絞り出すためのプロセスになる。何より、温かくありがたいのだ。
脳が壊れた (新潮新書) 2016/6/16 鈴木 大介 (著)


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以前、とある仕事で窮地に追い込まれた。どこにも相談できず、進めることしかできない状況にあった。

20代前半、いろいろ追い込まれて、情報が混線して頭が壊れそうになった。

幸にして、日常生活がストップしたり、仕事ができなくなるようなことはない「脳内処理」で済んだものの、身体的なアクシデントだとした場合、自分はどうなるんだろう?と考えた。

「いつ死んでもいいように」と冗談めいたことを言いながら生きてきているが、この場合の「死」とは「即死」を意味しているので、「瀕死」だった場合のリスク管理は自分はできてないことに気付かされた。

また、著者のいう「助けての声が出なくなる」について思い当たることがある。

以前、「佐渡山さんには『助けてコミュニケーション』が必要です。『助けて』と言えばいいんです。」と。

言われた時はなんて優しい言葉なんだろうと感激したが、実際のところ助けてをいざ言おうとなると、どう言っていいかわからなかった。またその言葉をかけた人達は特に何かをしてくれるわけでもないので、結局は自分一人で抱えて自走することしかできなかった。またそれにより後ろ向きな感情を持つようになってしまったが、この本を読んで自戒し、自分もそういう一見思わせぶりな発言を改めようと思った。

著者が言う「聞かずに一方的にやってくれることが、ようやく助けての声を絞り出すためのプロセス」、そう、まさにそう、大変そうだなとわかったら、何も聞かずにやってもらえた方がありがたく、声を絞り出すあるいは何かしらのプロセスに進める。

これは勉強を教えている現場でも応用できると思う。「わからないことがわからない。でも、なんとなくわかったような気がするけど進んでいいのかな?」と不安に思っている時に、「大丈夫?」と聞かずに「わかったつもり」でいいからちょっと進めてみようね、みたいに。

今となっては、先の追い込まれた経験や頭が壊れそうな経験はとてもいい経験をさせて頂いた。しかし、40歳を超えると「脳内処理」で片付かないことを想定せざるを得ないので、いざと言う時の対処法をまずは運動から日々コツコツ構築していく必要がある。

『程よい世話焼き』『いい加減なお節介』という言葉を聞いたり使ったりするが、そのいい塩梅ってのを自分もできるようにしたい。

・・・余談・・・
こちらの本は、ルポライターが書いたからなのか、読めない漢字、日常であまり使わないのですっかり読み方を忘れた漢字が続出して面白かった。復習の為に恥を曝しながらメモ。

  • 畢竟
  • 呂律
  • 瘦軀
  • 邂逅
  • 僥倖
  • 河豚
  • 不貞腐れる
  • 慚愧の念
  • 苛まれる
  • 膠芽腫
  • 拘泥