ほ〜むぷらざ1月(自立登校)

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__ 元の原稿 __

タイトル:二人三脚から自立登校、そして新しい母娘の繋がり

 不登校から高校進学が不安で二人三脚で取り組んできたハナさんとお母さん。

生活面では、高校生活を意識して食事と運動を続けてきた事もあって、冬のワンコイン勉強室での鍋パーティでは、ドンブリ二杯に帰りにコンビニによって車中でおにぎりも追加で食べれるほどになりました。

 勉強面では、学校で受けれなかった授業を適応指導教室やインターネットの無料解説動画などを活用して少しずつ遅れを克服していきました。

それでもやはり、まだまだ15歳の中学3年生にとって焦りと不安はそう簡単には無くなりませんでした。「もし、高校に入れなかったらどうしよう?高校に入れてもまた通えなくなったらどうしよう?」学校の先生方やお父さん・お母さんが励ましてくれるのはわかるけれどもついつい頭をよぎってしまう。「入れなかったら?また通えなくなったら?は、その時考えよう」と思ってもやはり考えてしまう。

 初めての経験は誰だって不安です。その不安を取り除く何か良いテクニックがあるかといえばやっぱり王道ですが「自分がやってきた事」を信じる事を繰り返し伝えます。勉強ノート、日々の生活面や勉強面を記録してきた手帳、解いてきた模試や演習プリントを見返し、間違えたところや忘れていたところ、保留にしてきたところを1つずつ仕上げていきます。年が明けてハナさんは過去問にも取り掛かり始めました。そしてある時、苦手だった数学に向き合うハナさんに気づき質問しました。「前はわからない事、知らない事がいけない事だと思っていました。でも今は、これから知る事やわかる事がまだまだたくさんあるんだと思えて楽しくなってきました。」と、ハナさんの返答は頼もしく気持ちはいつのまにか前向き変わっていました。こうして、ハナさんは無事に高校入試(県立高等学校全日制入学者選抜学力検査)に合格する事ができました。

 高校に入学した後のハナさんの進捗は、同じ高校に2年前に進学していた卒業生から聞けました。「先生、ハナさん、今日うちの部活に体験に来ていたよ」「先生、ハナさん生徒会に立候補するみたいよ」「先生、ハナさん陸上競技大会で選手宣誓していたよ」と。1年前のハナさんとは全くの別人の活躍ぶりに思わず「大丈夫か!?息切れしないかな」と卒業生と毎回爆笑してしまいました。

 連載を始めるために半年ぶりにお会いしたお母さんは髪型がショートに変わっていらっしゃいました。「ハナ、体力が付いて来たからか毎日学校に通えてますよ。びっくりする事に、今の得意科目は【数学】で、ちなみに先月の中間テストのクラスの席次は1番だったんです。本人は謙遜してますけどね(笑)」私は、小学校入学から高校入学までの二人三脚がようやく落ち着いた今のお母さんの目標や心境を聞いてみました。

 「娘達が自立したら、私は海外に遊びに行くって宣言してるんです。今は『ゆるまリスト』にはまっています(笑)」

 仲良しハナさんとお母さんがこれからも楽しく健康で豊かでありますように。

本文(1218文字)

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ほ〜むぷらざ12月(学習環境補助づくり)

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__ 元の原稿 __

タイトル:学習環境を整えて前に進む

「どこがわからないかわからないので、学校や適応教室で説明してもらっているけど、自分でやろうとしたらわからなくなる。」

不登校だったハナさんは、「動物に関わる仕事がしたい」という目標を持っていらっしゃいました。その為には高校に進学する必要がある。けれど、学校に通えていないので遅れた分を取り戻し、早く自分で勉強できるようになりたい。焦りと不安が空回りして気疲れと体調不良を起こしている様子でした。そこで問題解決に向けて3つの【学習環境づくり】を提案しました。

1つ目は、生活面。ハナさんは、体調がひどい時は動く事、起き上がる事、会話をする事もできませんでした。高校受験は朝からお昼過ぎまで連続してあるので、まずはそれに持ちこたえれる体力と気力を身につけていく事を提案しました。お母さんの協力も得ながら早寝早起きと健康的な食事と適度な運動による高校生活を意識した健康管理が必要でした。

2つ目は、勉強面。学校で受けれなかった授業を家庭教師や個別授業を利用するととんでもない金額になってしまうので、インターネットで「中学 数学 動画 」で検索すると無償の【授業解説動画】で勉強できる事を紹介しました。動画は理解できるまで何回でも繰り返し見る事ができて便利だけれど、「その場で質問ができない」という不便さがある事を考えて利用される事もお伝えしました。また、ハナさんの場合は、将来の目標が決まっていたので、「教科書ガイド」の活用を考えました。問題の「解き方」や「読み方」、また「考え方」を丁寧に学ぶ事で、高校進学後や社会に出て何か資格を取得する時の【自力で勉強する】練習としての提案でした。

3つ目は、精神面。学校に通えてなかった事や、また通えなくなったらどうしようと不安に思う気持ちはどうしても無くす事は難しいと思いました。そこで「簡易手帳」をプレゼントして、「元気から最悪までは10段階くらいある」と話される日々のストレス、体調の良し悪し、その日勉強できた事を【記録】する事を提案しました。ハナさんは見えない不安を真剣に悩みすぎて気力と体力を使い果たしてしまう癖を感じたので、不安や体調のリズムや頑張った記録を見える化する事で自分の状況が把握できて心の落ち着いてくる事を伝えました。

焦りや不安も尽きる事はありませんでしたが、すぐには解決できない事は一度保留にし、ハナさんとお母さんは二人三脚で少しずつゆっくりとしっかりと学習環境を整えて前進されていきました。

本文(1015文字)

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ほ〜むぷらざ11月(外と繋がる)

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__ 元の原稿 __

タイトル:お母さんの献身的サポート

「こんにちは、どうぞこちらへお掛け下さい」

電話問合せで保護者面談の予約のあったお母さんが来室されました。娘さんが中1の半ばから学校に通えなくなり、中3に進級した時点で高校入試の事が気になってのご相談でした。

「学校に通えなくなる前から、いろんなところに相談に伺いました。娘が病院に行くことも大変でしたが今は大分落ち着きました。」

お母さんの説明によると、娘さんは学校に通えなくなってから、保健室登校とは異なって午前中は適応教室を利用されて学習支援を受けていました。午後は週に1回、心療内科に通院していて専門医のアドバイスを受けていました。小学校低学年の頃は人見知りが激しく、一緒に同伴登校して教室の後ろからそーっとお母さんが帰る事も多かったそうです。本格的に通学に困り始めたのは小学3年の頃からで、頭痛が始まって少しずつ学校を休みがちになり、お母さんが学校に様子を伺いに通っていたそうです。友達間のケンカの仲裁に入ったり、年下の子ども達の面倒見のいい子ではありましたが、内心はそれがとても嫌でそれを隠しながら頑張る心の優しい性格の女の子でした。心療内科の予約は1年待ち3ヶ月待ちがほとんどで、10箇所ほどの病院を方々問い合わせて、相性の合いそうな先生を探して通院を始めたそうで、「社交不安障害」の診断を受けていました。

「自分の胸の内を言っていい人、自分の事をサポートしてくれる人に出会うまではあきらめるな」

娘さんに自分の気持ちを大事にする事をいつも伝えてるお母さん自身も心を躊躇するタイプで、娘さんの気持ちにより近く寄り添えるんでしょう。【心を大事にする】事を決めてもやはり不安で、他の家庭の子達と比べてしまったり「取り残されている」と不安に思ったり、いっしょに泣いたり苦しんだりしてしまう。それで講演会に行って話を聞いたり、新聞を読んだりして専門家の意見を集めてそれからどうするかを親子で悩んでいたご様子でした。

「自分だけの考えでは子どもを押し込めてしまう。自分にはできないけど、素敵な人がいっぱいいるのでいいなぁと思える人に橋渡しになれれば。。。」

お母さんの献身的な寄り添いをきっかけとして、彼女の不安を少しずつ軽くしながらのワンコイン勉教室での学習環境補助がスタートしました。

本文(942文字)

※キーワード

1:適応教室・・・適応指導教室(てきおうしどうきょうしつ)は、教育委員会が、長期欠席をしている不登校の小中学生を対象に、公的な施設で学習の援助を行っています。可能な範囲で「外に出る」ことで、たくさんの大人の人に出会い、「社会とのつながり」の機会を考えます。

2:心療内科・・・不登校や学校への行き渋りが心の問題の場合には、専門家のご意見を踏まえた学習環境作りを考えます。

3:社交不安障害・・・人前に出たり知らない人と話をする場面で強い不安や緊張を感じ、吐き気やめまい、声がふるえる出ないなどの症状が身体に現れます。ひどい時にはうつ病やパニック障害も併発する事もあり、周囲の人々との接触や活動を避け日常に支障を及ぼす事になります。

 

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